two-nagual」のフラッグシップ企画、「ひと」。
two-nagual」の世界を体現する、各界のスペシャリストが、“仕事観”を語るロングインタビューです。
今回の「ひと」は、日本を代表するトレーナーの友岡和彦さん。
メジャーリーグでのストレングス&コンディショニングコーチを務め、日本に活動拠点を移してからも、スポーツとフィットネスの発展のため、精力的に活動しています。

友岡和彦さん(クリードパフォーマンス) two-nagual「フィットネスキャンプ」特別講師

写真提供/友岡和彦(クリードパフォーマンス) Kazuhiko TOMOOKA

●ともおか かずひこ クリードパフォーマンス株式会社 取締役。MLBフロリダ・マリーンズなど3球団で、ストレングス&コンディショニングコーチを務めた、日本を代表するトレーナー。two-nagualイベントでも活用されている、さまざまなアウトドアスポーツに適したケガ防止とパフォーマンス向上ための「FITNESS CAMP for OUTDOOR」の考案者。

トレーナーという仕事の醍醐味

昔であれば、“トレーニングをして筋肉が付いた”とか、“強くなった”と言われることが、トレーナーの仕事の醍醐味でした。
でも今は、ジブンと話したり、トレーニングを通じて、その人に長期的な影響を与えることに醍醐味を感じています。

ある時、メジャーリーグでプレーしていた選手から、久しぶりに連絡がありました。
引退後、彼は子どもたちを集め、ベースボールアカデミーを開講しています。
彼はその時、ジブンがトレーナーを続ける醍醐味となるような話をしてくれました。
「以前、私に、こんなトレーニングを教えてくれたよね。実は、今もカズに教えてもらったトレーニングを、子どもたちとやっているんだ」

ジブンの行ったトレーニング指導が、その人を通じて、さらにいろいろな人に影響し、人々の生活に溶け込んでいる。
そういうところに、ジブンはやりがいを感じます。

アスリートという存在の魅力

スポーツが上手いだけでは、そのアスリートは尊敬されません。
誰が見ても強いアスリートが、当たり前に勝っても、感動は得られません。
でも、勝てっこない選手が、凄い死にものぐるいで頑張って、ドデカい選手に勝つ。
それは、スポーツの魅力であり、醍醐味です。

アスリートと、トップアスリートは異なります。
トップアスリートと、スーパートップアスリートも違います。
才能があれば、トップアスリートにはなれます。
しかし、トップアスリートでも、オリンピックに出たとしても、引退したら、3、4年で忘れられるかもしれません。

スーパートップアスリートたちに共通するのは、“継続力”です。
スーパートップアスリート、ちょっとしたことを、繰り返し、繰り返し、継続して行えます。
“継続力”は、人生で成功するのにも、必要なことなのです。
トレーナーであれ、一般の人であれ、社会人、芸能人、すべて共通しています。

写真提供/友岡和彦(クリードパフォーマンス) Kazuhiko TOMOOKA

スーパーアスリートに共通する、“継続力”

野球でも、1試合に2、3本、偶然にホームランを打てる選手はいます。
でも、3回打席立って、1つのヒットを打ち続ける3割打者になるのは、なかなか難しい。
3割打者になる選手は、メンタル的にも、細かいことを継続して行う習慣ができています。
スーパーアスリートを通じて、それをジブンも学びました。
今度は、若い人たちに伝えてゆくのが、ジブンの使命だと思っています。

“継続力”は、教えることが可能です。
高校生の頃とか、若いうちに身に着ける、ひとつの技術だからです。
そのためには、成功体験が、とても重要な要素になってきます。

筋トレで、“継続力”を養う

では、何をもって、成功させるか?
ちょっとずつでも継続すれば、経験になります。
毎日10分読書をするとか、日記を書くでも良いのですが、少し分かりにくいかもしれません。
実は、一番分かりやすいのは、筋トレです。

高校生に、“継続力”のことをよく話します。
プレーが上手くなるとか、スポーツ選手になるとか関係なく、毎日30分、フォームを意識してウェイトトレーニングを週に3回続ければ、4か月で、絶対に強くなっています。
トレーニング科学で、これは、立証されています。
もし、強くなっていなければ、やっていない証と言えます。

“継続力”は、年齢を問わない

やりたくないことでも、地道に、毎日毎日やっていれば、結果が伴ってきます。
そうなれば、行動も変わります。
たかがウェイトですが、歩き方も堂々とし、自信が得らえます。
“頑張れば、成果につながる”。

彼らは、成功体験を持って、社会に出られるのです。
“継続力”は、スポーツ選手だけじゃなく、全ての人に重要です。
高校生だけでなく、40代でも、もちろん間に合います。

刺激を与えれば、それに適応しようとする動物が、人間です。
適度な刺激を入れると、カラダは、ケガをしないよう、その刺激に適用しようとします。
なので、年齢によって遅い……、ということはないのです。

写真提供/友岡和彦(クリードパフォーマンス) Kazuhiko TOMOOKA

勘違いアスリート、ワガママアスリートとの付き合い方

トップアスリートのなかには、勘違いしてきた人も、確かにいます。
小さい頃から神童と褒められ、スーパースターに育ってきたトップアスリートは、自分が否定されたことがありません。
そんな勘違いのアスリートと向き合って、トレーニングを指導するのは、簡単ではありません。
だからこそ大事なのは、“できないことを、感じさせない”ことです。
まず、出来るところから始めます。
成功体験が、やはり、重要なのです。
成功体験が得られたら、ゆっくりとそれを積み上げてゆくのです。

もちろん、それでもワガママな選手はいます。
ワガママな選手は、知識で引っ張っていくことはできません。
選手に、自分を信じてもらえるか、好きになってもらえるかが大切です。
最初のうちは、メソッドやトレーニング理論にこだわらず、トレーニングします。
選手が、やりたいことを、やればいいのです。

使い古された言葉ではありますが、大事なのは、信頼関係です。
“自分のことを理解し、自分を良くしようとして、何かを伝えようとしている”。
そういう関係が生まれると、選手とコーチは、いわば“ガッチンコ”します。
「ちょっと、これやってみようか?」とか「見たことないけど、これいいでしょ?」。
それだけで、「おーっ、いいね!」となります。
今まで殻に入っていた選手も、ドアを開けてくれるのです。

信頼関係は、サイエンスではなく、アートの領域

選手の信頼関係を得るは、容易ではありません。
そこは、サイエンスではなく、アートです。
こうしたら、こうなるというメソッドはありません。
だから、アートなのです。

「この人凄いな」、「こういう話ができたらいいな」と思ったら、その人を真似します。
最初は、コピー&インプルーブ=真似をすれば良いのです。
真似をした上で、自分の色を出していけばいいのです。

この続きは、ひと『「トレーニングを仕事にする」後編 トレーナー 友岡和彦さん』に、つながります! 

『ひと 「トレーニングを仕事にする」前編』と、つながる!

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