硬いカラダを、軟らか~くしたい! 
ヨガを始める、最大の動機のひとつが、“柔軟性UP”ですね。
初心者ほど、硬いのは当たり前……。
だからこそ、せめて頭で理解して、早く上達したいものです。
という、私を含めた、頭の硬い方々にピッタリの教科書、見つけました!
本サイト『tow-nagual』編集長である私・大田原透と一緒に、立ち読み実況しちゃいましょう。

『two-nagual』編集長オオタワラの実録レビュー

おおたわら とおる/暮らしとスポーツが“つながる”『two-nagual』編集長。2018年まで、雑誌『Tarzan』の編集に26年間携わり、スポーツとフィットネスの最前線を名物編集長として取材し続けました。2020年より、新規オープンに向け、本サイトへ移籍。もちろん根っからの、フィットネス&アウトドア好き! 

ストレッチは、知的なワークアウトである!

例えば、ストレッチ。
ストレッチを効かせるには、筋肉について学ぶことが大切です。
伸ばしたい筋肉が、どこにから、どこへ、つながっているか……。
その筋線維に対して、イチバン効くのは、どういう動きなのか?
筋肉は、自分のカラダに備わっていても、目にすることが難しいものです。
だからこそストレッチは、筋肉への理解が求められる、知的なワークアウトと言えます。
もちろんこれは、ヨガも同じ。
ヨガこそ、複雑な動きになるので、さらに知的なワークアウトと言えるのです。

ヨガの代表的な55のポーズについて、どこがストレッチされ、どこが緊張(収縮)しているか、一目瞭然なのが本書、『図解 YOGAアナトミー アーサナ編』です。

美しいCG図解で、ストレッチされているほど、筋肉の色は、濃い赤で描かれています(反対に、収縮しているほど、筋肉の色は、濃い青で描かれています)。
細かい解説を読まずとも、美しいグラフィックで瞬時にポイントが解るのが、とても便利です。

ネット動画などで、見よう見マネでヨガのポーズを取る時、どこが伸びて、どこが縮んでいるか、この本さえあればスグに確認できる、まさにヨガの攻略本と言えます。
もしあなたが、動画のような完璧なポーズができなくても、伸びている筋肉、縮んでいる筋肉さえ正しければ、挫折する必要はなくなるはずです(笑)。

目くるめく、動きの解剖学の世界!

『図解 YOGAアナトミー アーサナ編』の著者は、アメリカの病院で働く整形外科医であり、ヨガ指導者でもある、レイ・ロング氏。
カラダの動きを、筋肉や骨、関節の働きで解説する学問に「機能解剖学」がありますが、ヨガを機能解剖学的に紹介しているのは、レイ・ロング氏だからこそと言えます。
ケガや病気を治すことに重点をおく医療ではなく、未病からの病気の早期発見や、予防、健康増進といった「統合医療」の視点も、ヨガ+西洋医学だからこそなのです。

有名な「戦士のポーズ」に対する、レイ・ロング氏の解説には、こんな表現があります。
「この基礎的なポーズは、ランジで上半身を伸ばして腕を上向きに開きます。静止している中にエネルギーが確実にみなぎり、解放されるのを待っています」
こんな解説でワクワクするのは、私だけではないはずです!

今でこそ、機能解剖の本はたくさん出ていますが、私がフィットネス系のライフスタイル雑誌の編集に携わり始めた30年ほど前は、大修館が出していた『目で見る動きの解剖学』(翻訳書)くらいしか存在しませんでした。
その後、日本でも2000年あたりから、古典的な名著とも言える『身体運動の機能解剖学』(アメリカでの刊行は、何と1948年!)や、美しいイラスト図解の『目でみる筋力トレーニングの解剖学』など、現在につながる良質な専門書が続々と翻訳されるようになりました。

こうした機能解剖学の発展の延長線上で、ヨガの動きの解説を加えた『図解 YOGAアナトミー アーサナ編』の詳細な表記には、目を見張るばかりなのです。

筋肉の動きにも、陰と陽があります!

『図解 YOGAアナトミー アーサナ編』が優れているのは、初心者に対してだけではありません。
むしろ、専門書としてパワーを発揮するのは、「相反抑制」についての解説です。
ペットボトルを右手で持って、肘を曲げるアームカールの動作で、持ち上げてみましょう。
この時、力こぶの上腕二頭筋は、収縮して硬くなります。
また反対に、いわゆる二の腕の上腕三頭筋は、弛緩しているはずです。
主に働く筋肉の収縮と、対になっている筋肉の弛緩は、陰(弛緩)と陽(収縮)のセットで働いています。
このセットが、「相反抑制」です。

無理に伸ばさない方が、よくストレッチできる!

「相反抑制」を利用すれば、無理にカラダを伸ばさずとも、ストレッチが可能です。
つまり、ある筋肉を緊張させることで、セットとなる筋肉が、無理なく伸びるのです。
魔法のようですが、生体力学と生理学を融合させると、カンタンに実感できます。
さっそく、『図解 YOGAアナトミー アーサナ編』を頼りに、やってみましょう。

  • 両脚を伸ばして長座し、上半身を曲げて手で脚を掴みます。両膝を伸ばすと、モモの裏のハムストリングスがストレッチされます。
  • この状態から、膝を少しだけ曲げます。ハムストリングスのストレッチが軽く弱まるのを感じつつ、2~3呼吸します。
  • ここから、膝の大腿四頭筋を収縮させて膝を伸ばします。膝裏を床につけるように収縮することで、ハムストリングスがさらに伸びます!

ほら、凄いでしょ!
実は、本書では、さらにハムストリングスが伸ばされるテクニックが紹介されています(説明が難しくなるので、知りたい方は本書23ページをご覧ください)。

ヨガ好きも、スポーツ好きも、筋トレ好きも!

頭もカラダも硬いヒトほど、本書『図解 YOGAアナトミー アーサナ編』が救世主となることが、理解いただけたと思います。
なお、読者諸賢は、すでにお気づきでしょう。
『図解 YOGAアナトミー アーサナ編』があるなら、本書がシリーズであることを。
ヨガのポーズであるアーサナ編のほか、『同 筋骨格編』、『同 実践編 アームバランスと逆転』、『同 実践編ヴィンヤサフローと立位』が、日本語訳として、いずれもアンダーザライト ヨガスクールから刊行されています。

ようこそ、目くるめく機能解剖の世界へ!
ヨガ好きも、スポーツ好きも、筋トレ好きも、本を開いたら、その奥深い世界に、ハマること請け合いです。
次回、『to-nagual』編集長オオタワラの実録レビューは、夏の終わり頃にお届けの予定です。

『医師が解説するヨガの機能解剖学 図解 YOGAアナトミー アーサナ編』
著:レイ・ロング医学博士
イラストレーション:クリス・マシボー
監訳:中村尚人
定価:3,850円(税込)
出版社:アンダーザライト ヨガスクール
ISBN978‐4‐904980‐04‐0 C0075

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